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TOKYO CULTURE CULTUREで新しいカルチャーを——プロデュースの裏側を聞く

2012/04/28

嶋田淑之の「この人に逢いたい!」:
 「トークライブハウス」と呼ばれる業態が存在する。その日のテーマによって、異なる客層のお客さんが集まり、お客さんたちは食事やお酒を楽しみながら、ステージと一体となってトークショーなどのイベントを満喫する。そして、その興奮や感動はUstreamなどを通じてリアルタイムで流されることもあるのだが、それも単なる垂れ流しではなく、Twitterのタイムラインが会場でも表示されるなど、リアルとネットが有機的に連動するようになっている。



 トークライブハウスのパイオニア的存在は新宿の「LOFT/PLUS ONE」などだが、その手法をモデルにしつつも、新しいコミュニケーションの方法を提案し、ユーザーに支持されているのが「TOKYO CULTURE CULTURE」(ニフティ運営、120人収容)である。

画像:お台場にあるTOKYO CULTURE CULTURE、ほか(http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1203/02/news012.html)

 お台場の大観覧車の真下に位置するZEPP TOKYO2階という、お客さんの多くにとって「わざわざ行かないといけない」ロケーションでありながら、チケットが売れ切れることも少なくないという人気ぶり。

 筆者は取材に先立ってイベントカレンダーを拝見したが、「勝手にAndroidアプリ大賞」「戦艦大和ナイト」「インデックス投資ナイト」「今昔インターネット語り」など、イベントテーマの多様性と独創性には心底、驚かされた。一体どうしたら、こうしたテーマ設定が可能なのだろうか? そして、長期不況に沈む現代日本にあって、このような「熱い時空間」を創出し得る要因は何なのだろうか?

 そうした疑問を解消すべくお話をうかがったのが、TOKYO CULTURE CULTUREのイベントプロデューサー、テリー植田さん(40歳)だ。

 テリーさんはCM制作の専門学校を卒業後、テレビCMのプランナー、NTTソルコでのコールセンター・マネジャー、新宿LOFT/PLUS ONEのトークライブイベントのプロデューサーなどを務めたという経歴の持ち主。2007年8月、現店長のシンスケ横山さんとともに東京カルチャーカルチャーを立ち上げ、ライブの企画から運営までを手がけている。

 「私の仕事は、新しいコミュニケーションの取り方をプロデュースすることだと思っていますし、それは言い換えれば、新しいカルチャーのプロデュースでもあると考えています」とテリーさんは言う。

 新しいコミュニケーションの取り方(=新しいカルチャー)のプロデュースとは一体何なのだろうか? テリーさんならではの仕事のあり方についてお聞きした。

●“流行の半歩手前”のテーマ設定

 「テーマ設定の特徴ですか? あえて言うなら、好奇心の深堀り、そして好奇心のエンタメ化ですかね」とテリーさんは言い、こう続けた。「自分の直観で“流行の半歩手前”と感じるものということですかね……」

 イベントカレンダーを眺めつつ、テリーさんのこの言葉を私なりの理解で表現するならば、「一見使い古されたテーマに見えても、そこに今までとは一味違う、意外性のある切り口から光が当たったことで、新たなブーム到来を予感させるもの」がテーマとして選ばれるということだろうか。

 例えば「地方グルメ」。テレビや雑誌でお馴染みの各地の超人気産品を、トークショーを通じて改めて紹介するというのでは、あまりに月並みだ。テリーさんならどうするか、実際に手がけた事例を挙げてもらった。

 「鳥取県米子市には『ヨネギーズ』という米子名産のネギをテーマにしたゆるキャラがいます。今では珍しくもない地方都市のゆるキャラの1つなのですが、Twitterのフォロワーは1万人以上もいるんですよ。そこで、米子市長をお招きして米子の白ネギ400本を100人で食べるというイベントを企画しました。

 普段は脇役に甘んじているネギを主役にすえて、さまざまな料理を食べ、今まで気が付かなかったネギの魅力に開眼したという人も多かったのではないでしょうか? 

 料理だけではありません。米子市長と会場が一体となって『ネギ検定』をしたり、ヨネギーズと遊んだりと大盛り上がりしたのですが、Twitterでも随分話題になりました」

 たしかに、ありがちな“お国自慢”“グルメ自慢”イベントとは一味違うし、会場の熱気や興奮がほうふつされる。

 思うに、テリーさんがこうした切り口の企画を生み出し、それを成功させ得る要因として、次の2つが存在するのではないだろうか。

 1つ目は「どんなテーマに、どのように取り組んでいる人をゲストに呼ぶべきか」に関するテリーさん独特の鑑識眼で、2つ目は「ライブ当日にどんなイベント進行をすべきか」についてのテリーさんならではのアングルである。

●トークライブに向いている人、向いていない人

 TwitterやFacebook、あるいはブログを眺めると、個人の場合、自慢や他者批判、愚痴の割合も高いが、テリーさんがトークイベントのテーマと出演者を考える際、そうしたワンウェイ・タイプのコミュニケーションをする人はトークライブに向いていないと考える。

 「1カ月に300人以上の方と名刺交換していますが、どんな方なのかはTwitterやFacebookなどを見ればすぐに分かりますよね。書いている文章がブランディングに名を借りた宣伝や自慢に見えてしまうような内容が多い人は、リアルのトークライブには向かないように感じます。

 私は仕事であれプライベートであれ、それを自分のライフワークとして、それに人生を賭けて取り組んでいる人、そして、そうした自分の生きざまを赤裸々にさらけ出している人にこそ心ひかれますね」

 中でもテリーさんが最近、特に魅力を感じるのが、故郷や今住んでいる土地といったつながりの中で、ほかの人々と力を合わせて誰か(あるいは何か)を応援し続けている人のようだ。それをあえてキーワードで表現するなら、「(共通体験を通じた)絆」「共創」「献身」「継続」といったことになるだろうか。

 しかし、そうやって魅力を感じたからといって、直ちに出演予定者になれるほど、トークショーは甘くない。そこには、厳しい条件が存在する。

 「やっぱり、まずは声の大きな人が良いですよ」と笑うテリーさんだが、必要な資質を次のように教えてくれた。

 「端的に言えば、エンタメ力のある人です。人前で堂々と、かつ楽しそうに話せるのはもちろんのこと、イベント魂というか、サービス精神が豊かで、そうした自分の特性をわきまえ、人を楽しませるのが好きで好きで仕方がないという人ですね。そして、もちろん、お店ですから集客力があるということも大事です」

 テリーさん独自の鑑識眼にかなった人がこうして選ばれ、トークショーの企画が具体化していくわけだが、その出演者やその人が追求しているテーマの魅力をライブ中にいかに引き出すかが、次に大事となる。テリーさんのワザがそこで光る。

●共通項を見出して、信頼関係を構築

 テリーさんが「このテーマについて、この人にゲスト出演してほしい」と思ってから、(平均)約3カ月後のライブ当日までに、当人と直接会える機会は、決して多くはないようだ。

 相手が遠隔地在住だったり、超多忙だったりした場合は、最初の顔合わせ(出演依頼)を除けば、ライブ本番直前の30分だけということもあるという。もちろん電話やメールによる事前のすり合わせはあるだろうが、それにしても初対面に近い相手とのぶっつけ本番みたいなものだ。

 時間的にも情報的にも人間関係的にも限定された中で、どのようにしてテーマや出演者の魅力を最大限に引き出していくのだろうか?

 「出演依頼で最初にお会いした時と本番直前の30分で、相手とどれだけ信頼関係を構築できるかが勝負ですね。

 特に初めてお会いする際など、私はいつもこういう帽子とメガネのカジュアルなファッションですし(笑)、相手からすると『こいつ一体何者だ?』というところから入るわけですから、なかなか大変です。私の場合は出身地でも何でも良いから、とにかく相手と自分との共通項を見出すよう努めます。それを通じて、お互いの間に安心感や親近感を瞬間的に作っていくんです」

 そうした安心感や親近感をベースにしつつ、トークショーのステージ上では、どのようにして相手から話を聞きだし、会場を盛り上げていくのだろうか?

 「もちろん、事前に一定の情報収集をして、私なりに出演者のことを知った上で本番を迎えるわけですが、ステージ上ではお客さんたちの中で当日のテーマや出演者に関する知識レベルが一番低い人を基準にして、私はそこに合わせて、自分は何も知らないという体で、それもアドリブの体で質問するようにしています。

 あくまでもお客さんの1人という立場から、お客さんたちが内心知りたいと思っているであろうホンネの話を引っ張り出すようにしているんです」

●司会者&インタビュアーとしてのテリーさんのワザ

 コミュニケーション理論に「ジョハリの窓」というものがある。人は誰しも、4つの心の「窓」を持っており、それは次の4つであるとする。

1.自分も知っているし他人も知っている自分(=開いた窓)
2.自分は知っているが他人には見せていない自分(=秘密の窓)
3.自分は知らないが他人は知っている自分(=気付かない窓)
4.自分も知らないし他人も気付いていない自分(=未知の窓)

 要するに、出演者がそれまでに講演や文章などで自ら語ってきた「自分」というのは、1の一部または全部であり、その人のごくごく一部分を表すに過ぎない。従って、インタビュアーのやるべき仕事は、1を確認し深化しつつも、2を極力引き出し、かつ3を発見して、相手に気付きを与えることだ。そして、さらに4まで明らかにできるなら、インタビュアーとして一流と言っていいだろう。

 それを可能にするために必要不可欠なのは、相手の自己開示を促進すること。さらに、それを可能にするのは、インタビュアー自らが心を開いた上で、インタビュー相手の話に対して共感的理解を示すことだ。こうした姿勢があって初めて、お客さんが聞きたいと願う話を相手から引き出せる。

 「そうなんですよ。まずは私自身が心を開いていないと相手は決して心を開きません。自分が心を開いた上で、相手のすばらしいところをローアングルからお聞きしていくわけです。そして、その流れの中で、それまで雲の上の存在に見えていた人の、今までほかでは見せたことのなかった素の部分やホンネを、お客さんたちに見せてあげることができれば大成功です。そうすれば、お客さんたちも『そのひと言が聞きたかったんだ』『ああ、来てよかった』と深い満足感に包まれて帰ることができるんですよね」

 TOKYO CULTURE CULTUREがユーザーに支持される理由の一端が見えるような話であるが、テリーさんとて、一朝一夕にそれができるようになったわけではないという。

●「荒俣宏先生は怖かった!」

 「数年前の話なのですが、作家の荒俣宏先生をゲストでお呼びした時、本当に怖かった(苦笑)。先生はステージ上でマシンガンのごとく喋り続け、私の入り込む余地なんて全然なかったんです。終了後に先生に怒られましてね。『トークショーは、ボケとツッコミの利いた掛け合いの漫才にしないとダメだよ』って……。

 正直、相当へこみましたよ(笑)。でも、とても勉強になりましたね。『相手がすごい人だからといって変に遠慮してはいけない。遠慮に愛情はない』と」

 それ以来、テリーさんは誰とステージをともにしても決してビビることなく、関西人の本領を発揮して(?)、ビシバシ、ツッコんでいけるようになったという。

 どんな仕事でもとにかく場数を踏むことの大切さ、それも一流と言われる人々と仕事することの大切さを、まさに身を持って知ったテリーさん。今でも毎月15本の各種イベントを企画運営し、その内の10本は自ら司会(&インタビュー)も担当している多忙ぶりだが、必ず毎回行っていることがあるようだ。

 「イベントの前夜、特に自分自身が司会(&インタビュー)を担当する場合は、トイレか風呂場にこもって、トークショーの本番さながらに声に出して、1人でリハーサルするようにしています。構成作家が台本を書いてくれるわけではありませんし、そうかと言って、その場のノリで何とかなるほどトークライブは甘くありませんからね」

 ステージ上で軽妙洒脱なトークを展開して場内をわかせているテリーさんが、前夜、密かに自宅のトイレの便座に座ってブツブツ言いながら練習を重ねている姿を誰が想像できるだろうか? しかし、そうやって見えないところでコツコツと努力し続ける人こそがプロフェッショナルになり得るのかもしれない。

●あと10年のうちに“黄金時代”を

 今年41歳を迎えるテリーさんだが、最近、言い知れぬ危機感と焦燥感を覚えているという。

 「自分がイベントプロデューサーとして第一線で仕事できるのは、発想力や体力といった面からいって、せいぜいあと10年かな……と思っているんです。そうだとすれば、残りの10年間に何とか我が人生の“黄金時代”を創出しないといけない。そのためには、今まで以上に面白いと思える人と出会える打率を高めていく必要がある。でも、もうカウントダウンが始まっている。そう思うと、ものすごい危機感を感じます」

 大企業の正社員なら、年齢相応に経営サイドに身を移し、それまでとは別の立場から企業や社会に貢献していく手も残されているが、テリーさんのようなアーティスト寄り、クリエイター寄りのフリーランスのプロデューサーの場合は、そういう転進が難しい。それゆえ、自分の才能や体力が残っているうちに、残り数十年の人生への備えをしないといけない。

 テリーさんとしては、残り10年の間に自分の人生の代表作と言えるような仕事を成し遂げることで、それを後半生への足がかりにしようと考えているのかもしれない。しかし、猛烈に多忙な日々を送っているうちに、あっという間に月日は流れてしまう。危機感、焦燥感が募っていくのも当然のことだ。

 テリーさん自身の今後の動向、それは言い換えればテリーさんと一心同体と称していいTOKYO CULTURE CULTUREの将来を、どうするかということにもつながる。ファンにとっても大変気になるところだろう。

 「TOKYO CULTURE CULTUREの運営という点から言えば、こうした“箱”があるお陰でたくさんの面白い人と出会えるわけですが、収益的には上限があり、どんなに頑張ってもそれ以上にはなりません。

 しかし、だからと言って十年一日のごとく同じことばかり続けていれば、当然のことながら、お客さんに飽きられてしまいますから、新しい展開を考えていかなければいけません。

 そこで、今後の方向性に関してですが、例えば最近、地方自治体や企業からの依頼を受けて、TOKYO CULTURE CULTUREでイベントを企画制作したり、各地に出張してイベントを実施したりすることも増えているので、そういう『外部での委託業務』を拡大していく方向はあると思います」

 テリーさんとTOKYO CULTURE CULTUREは、これから一体どこに向かっていくのだろうか。そして、数年後、果たしてどのような“黄金時代”が到来するのだろうか? 今後の方向を模索しつつ、彼は、大好きな新宿ゴールデン街を今夜も飲み歩く。

[嶋田淑之,Business Media 誠]



http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120302-00000064-zdn_mkt-ind
※この記事の著作権は配信元に帰属します。



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